鳴海 伸一
Narumi Sinichi

 

鳴海 伸一 Narumi Shinichi

鳴海 伸一

あたたかみのある柔らかな線や、力強さを感じさせる硬質な線。
これらを交差させつつ描かれた鳴海伸一の世界には、押さえられた色彩の中にも自然の息吹や鼓動を感じることが出来ます。
機械摺りによる量産版画を一切せず、自画・自刻・自摺りで行われる創作版画に鳴海伸一のこだわりがあります。

1976年 北海道生まれ
建築を学んだのち、線への憧憬を絵画に転化し1997年から、本格的に版画作品を国内外にて発表。

2002年 師弟展、初個展「鳴海伸一 建築版画展」(北海道)
2003年 宝塔寺 (札幌市・北区) 襖絵製作
2004年 国画会版画部 新人賞受賞、 版画の競演(東京・銀座)
     あおもり版画トリエンナーレ (青森県)
     東京国際ミニプリント トリエンナーレ招待出品 (東京・多摩美術大学美術館)
2005年 国画会版画部 前田政雄賞 受賞
     バハラット・ババン国際版画ビエンナーレ招待出品 (インド・ボパール)
2006年 HPG EXHIBITION (Ajain Marunouchi Gallery・ニューヨーク)
     LESSEDRA 国際小版画展 (ブルガリア)
     鳴海伸一 ピエゾグラフ・ピンホール写真展 (北海道)
     セレクション版画展 (大阪)
2007年 STV北2条ビルエントランスアート (北海道)
     PPAS 「Pinhole Lover」 (prinz・京都)
     札幌市芸術文化財団 札幌芸術の森版画工房 専任職 (2002~2007)
     北海道版画工房 設立
2008年 日本美術家連盟奨励展 (銀座・東京) 鳴海伸一 新作版画展2008 (大阪)
    「Made in 日本」 (日本橋三越本店・東京) 「sprout」 (兵庫)
     アートクロス 鳴海伸一 インスタレーション展 (北海道)
2009年 鳴海伸一版画展 (三越札幌店・北海道)
     版・継承と刷新 (北海道立近代美術館・北海道) 
     アートとの対話 (紋別市立博物館・北海道)
2010年 Japanese Art in 2010 (ティコティン美術館・イスラエル)
2011年 鳴海伸一版画展 (三越札幌店・北海道)
2013年 鳴海伸一版画展 (三越札幌店・北海道)
2015年 鳴海伸一版画展 (三越札幌店・北海道)
       他 個展・グループ展など多数
       日本美術家連盟会員・大学版画学会・北海道版画工房 代表
       ピンホール写真芸術学会・NHK文化センター札幌校講師 他  


鳴海 伸一の作品について
初期の作品のほとんどはリトグラフで制作された幾何学的な抽象画がほとんどであったがその後、有機的なものへの憧憬から植物や花をモチーフとした作風に変化、技法もドライポイントに変わっており(出典:札幌芸術の森美術館「真冬の花畑」図録.p5を参照)、有機的で素直な表現がその魅力を引き出している。
シリーズ化された作品群は主に花をモチーフにした「floral」シリーズ、線を面へと転化した「TSUNAGU」シリーズ、紙漉きによる「KECHI-EN」シリーズで構成されており、いずれも表現は違えども、筋の通った作家本来の思想哲学とオリジナリティが強い作品を生み出している。機械刷りによる量産版画には一切せず、作家による自画・自刻・自刷りで行わる創作版画のスタイルを断固として崩す事のない頑固な一面も時折見せる
人物 バウハウス、フランク・ロイド・ライトに強い影響を受け、工業高校、大学と建築学を学び実務を経て、1997年頃から版画家・内藤克人に師事し、本格的に版画の制作をはじめる。
美術と環境、空間の共生をテーマに国内外での作品発表、国内でのアートワークを数多く手がけており、現在もどこか建築的で構築的な面と線、豪放なラインで直刻された作品を数々制作している。(出典:札幌芸術の森美術館「真冬の花畑」図録.p5を参照) 氏の私家版である「都市彷徨」では自身の美術論や思想哲学が述べられており制作に対する思いと姿勢が見受けられる。 また、ライフワークとしてフランク・ロイド・ライトに師事した建築家、田上義也の建築などを個人レベルで調査・研究・論文発表なども行っている。